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== 雲南省 ==

迪慶蔵族自治州!!

今日は迪慶蔵族自治州のご紹介です (^▽^)/
迪慶蔵族自治州
迪慶蔵族自治州は雲南省の西北部に位置するチベット族自治州になります
総人口の33%をチベット族が占めています
この自治州にあるシャングリラ県については、以前ご紹介していますが
大分前なので、再度ご紹介していきます

迪慶蔵族自治州
迪慶(デチェン)とは、チベット語のデチェンを音写したもので、
「デ(bde)」は「安楽」を意味する名詞、「チェン(chen)」は
「大いなる」を意味する形容詞で、合わせて「大いなる安楽」を意味します
この地域が歴史上に登場するのは、唐代に吐蕃王朝がこの一帯に
神川都督を設置し南詔との連携を図ったのが始まりとされます
その後も、大理国 → モンゴル帝国(梁王国) → ジャン王国
→ グシ・ハン王朝 → 清国と、次々に支配国が変わっていき、
1726年に雲南省を介して土司の称号を受け、現在の領域を枠組みとする
デチェン州という行政単位が成立しました
その後もチベット政府による独立宣言などで戦乱に見舞われましたが、
雲南軍により鎮圧され、1973年に雲南省直轄の自治州となりました



「虎跳峡」(こちょうきょう)
虎跳峡
虎跳峡は中甸の南東部にあり、香格里拉からは105kmの距離になります
その長さは20km、落差は213mもあり、上虎跳、中虎跳、下虎跳の
三つに分けられ、あわせて18の難所があります
最も狭い部分は幅30m余りで、峡谷の入り口の海抜は1800m、
海抜の高低差は3900m余りのものぼります

虎跳峡
虎跳峡は世界でも有名な大峡谷で、虎跳峡鎮から河に沿って哈巴雪山山麓を
下って行くと虎跳峡に入ります
虎跳峡鎮からは9kmの距離で、峡谷全体で最も狭い箇所(30m余り)になります
河の真中に13mほどの高さの岩(すなわち虎跳石)があり、伝説では
虎がこの岩を利用して、この峡谷を飛び越えたと言い伝えられています
河の水が岩にぶつかり、大きな音が峡谷に響いていて、
詩人の「孫髯翁」もこの様子を詩にしています

虎跳峡
虎跳峡をそのまま北上し、永勝村を通り過ぎればすぐに中虎跳に至ります
ここは両岸を切り立った崖に囲まれていて、河の水はこの5kmほどの距離で
100mの落差を流れ下っていきます
このあたりは「満天星」と呼ばれ、河の激流は暗礁の間をあっちにぶつかり、
こっちにぶつかりしながら流れるため、河の上は霧がかかったようになっています
「満天星」を通り過ぎてでこぼこ道を進むと哈巴山の中腹に
「観音瀑」と呼ばれる滝があり、滝の傍らに観音像に似た
峰がそびえ立っていることからこう呼ばれています
観音瀑からそう遠くない、なだらかな山の斜面に核桃園(核桃とは胡桃の意)
という小さな村落があり、家々の周りにある大きな胡桃の木と民家が
深い緑の中でお互いを引き立てあっています
ここの民家の建物の多くは石の板で覆って屋根にしており、
虎跳峡を訪れる観光客はよくこのような山村に宿をとるのですが、
河を吹く風と水音で日常から離れた一種独特な感覚を受けます

虎跳峡
核桃園村を出て広い山道を3キロほど行くと下虎跳に着きます
ここの地形は広くなっていて、近くには峡谷、遠くには山が望め、
ここに足を止めて周りを眺めると、玉龍雪山や哈巴雪山の峰が
重なり合い、美しい景色を堪能できます
でこぼこした山道の、下虎跳から遠くないところに、
真っ直ぐで平らな光沢のある石の板が現れます
虎跳峡で有名な難所で、「滑石板」と呼ばれていて、石の板の幅は
300mあまり、85度の傾斜で峡谷の底から哈巴山の中腹まで伸びており、
石の表面はつるつると平らで、草一本生えていません
もし足を滑らせると、一気に河まで滑り落ちてしまうことから、
昔の人はこの道を見て「鬼門関」と呼んでいました



「松贊林寺」(しょうさんりんじ)
松贊林寺
以前もご紹介しましたが、松贊林寺は雲南省では最大規模の
チベット仏教寺院で、またの名を帰化寺とも呼ばれています
香格里拉県の北5kmの仏屏山のふもとにあり、1679年清の康煕帝と
ダライ・ラマ五世の勅命により建てられました

松贊林寺
この寺院を建てる際、その建設場所をダライ・ラマが占うと、
「深い森の中に泉があり、天から降りてきた金色のアヒルが戯れる場所」
というお告げがありました
現在の寺院内にも一年中泉が滾々と湧き、つがいのアヒルもよく見られます
扎倉、吉康と呼ばれる二つの本殿が寺院全体の中心をなし、
一番高いところに南向きに建っています
五層のチベット式彫楼建築ですが、主殿の屋根には純金や銅の瓦、
建物の隅には反り返った屋根に向きあうように獣の彫刻が施され、
中国式の寺院建築の雰囲気もあわせ持っています

松贊林寺
下層部の大殿には仏教の吉祥数である108本の柱が立ち、1600人の信者を
収容することができるようになっており、左右の壁にはチベット仏教の経典
「万巻橱」が書かれています
正殿の正面はダライ・ラマ五世の銅像が奉られ、その後ろには
高僧たちの遺体を収めた霊塔が立ち並んでいます
松贊林寺にはダライ・ラマ五世、ダライ・ラマ七世の時代の八尊包金釈迦仏像、
タラの葉の経典、金や鮮やかな色彩のタンカ、黄金灯などの歴代の貴重な
品々が多く、『丹珠爾』十部(うち二部は金色の墨で書かれている)や、
純金や銀でできた香炉、万年灯等も収蔵されています
寺院内の僧侶たちは、活仏と扎巴に分けられ、活仏以外の僧侶たちは
学歴や経歴に応じて地位が分かれていて、さらに十種以上の職務に分けられます

現在ここでは700名余りの僧侶が修行しており、香格里拉県から
松贊林寺へ向かう道路も新しくなり、古いこの寺院独特の景観は
各地からの観光客を惹きつけてやみません



「納帕海」(なぱかい)
納帕海
ナパ海は香格里拉の北西8kmのところにあり、雲南省では
数少ない亜熱帯の高山湿地帯になります
三方を海抜3800mから4449mの山々に囲まれており、
ナパ海とはチベット語の「森の後ろの湖」という意味になります

納帕海
夏の終わりから秋にかけて水量が増し、さらに青龍潭、納曲河、旺曲河からの
水も流れ込んで来るため、1000ヘクタールにものぼる大きな湖が形成されます
湖の周囲には9つの洞穴があり、そこから水が流れ出ていき、
冬から春にかけては湖はだんだん小さくなり、広大な湿地帯に変わります
ナパ海は雲南省政府の自然保護区の指定を受けており、
冬には中国固有の黒頚鶴が飛来し、ここで越冬しています

納帕海
湿潤な気候のため牧草の成長が他の地域より早く、
毎年5月には草が芽吹き始め、一面青々とした草原になります
6月の初めには野生の花が咲き誇り、放牧された牛や羊の群れが見え隠れし、
周囲は雪を頂いた山々がそびえ立ち、美しい風景をつくっています
秋冬になると草原は黄金色に変わり、遠くには山々が青黒く見え、
また湖面は雪の峰を映しており、、この季節、多くの渡り鳥がここに
集まってきて草むらや湖面に戯れ、また違った風景を楽しませてくれます
チベット族の人々は鳥を大切にしており、特に黒頚鶴は千数百年もの間
彼らに守られてきた為、鳥達は人を恐れず、村やテントの近くまで
やってきてくれるなど、人々に愛されています

ナパ海の北西の山上には衷欽寺の遺跡があり、古木が茂る森の中に、
壊れた垣根の残骸や割れた瓦のかけらが散乱しています
この寺院は明末に建てられましたが、清初の各宗派の争いに
巻き込まれて破壊されてしまいました
資料によると、かつては約12mもある仏像があったといわれ、
明代の旅行家「徐霞客」もここを訪れようとしましたが、
麗江の木氏という族長に阻止され、叶わなかったそうです


黒頚鶴
「黒頚鶴」とは世界でも希少な鶴の一種で、わずかに青海チベット高原、
雲貴高原に分布しており、ナパ海は水草が生い茂り、餌になるシジミや小魚、
植物の根や茎、水草、オタマジャクシなど豊富で、人間による環境破壊も少なく、
また気候も適しているため黒頚鶴の理想の生息地になっています
現在確認されている黒頚鶴の生息数は、全世界で1000羽ほどで、
アメリカの鶴類基金では、世界にいる15種類の鶴のうち、14種類を
飼育していますが、この黒頚鶴だけはいないそうです

黒頚鶴
黒頚鶴は青海高原で夏を過ごし、雲貴高原で越冬していきます
その渡りの時期も正確で、地元では「九月九日前にやってきて、
三月三日前に去っていく」といわれています
1989年にはアメリカの鶴類基金の専門家がナパ海で実地調査を行い、
当時の統計ではここで越冬している黒頚鶴は76羽確認されましたが、
10年後には国連から絶滅危惧種に指定されているにもかかわらず、
150羽まで増えていたそうです



「鎮公堂」(ちんこうどう)
鎮公堂
香格里拉県城の旧城区にあり、蔵経堂とも呼ばれています
清代に建てられた中国とチベットの建築様式を合わせ持った建築群で、
寺院、峡谷、湖、雪山などには栄光と衰退の中甸の歴史が一つ一つ
刻み込まれています

鎮公堂は南向きに建てられ、外観は中国式で斗組みの白鳥が反り返った
屋根に向かい合い、屋根の一番上の部分に宝鼎が輝いています
内壁はチベット式で金剛杵の柱、絵で飾られた朱門などが美しく、
入り口の両側の壁にはチベット仏教の四天王像が立ち、鎮公堂全体迫力があります

鎮公堂
またここには紅軍(国共合作以前の共産党の軍隊)の長征の時、
将軍が書いた「興盛番族」の錦の垂れ幕があり、
チベットと中国の団結のシンボルとなっています


以上で、迪慶蔵族自治州のご紹介を終わります
幻の桃源郷(と同じ名前の)シャングリラがあるところです(笑)
是非一度、行ってみてはいかがでしょうか?
それでは (^・ω・^)ノ see you next week!!

迪慶蔵族自治州



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